釣りをしたくなったので『つりぼり金ちゃん』に行ってみた

最近外出てないけど、別に出る用事ないんだよなと自分に言い訳しながら日々を過ごす中でふと思う。

「そういや今までの人生の中でマトモに釣りってやったことねえなぁ」と。

自分が小さい頃、グランダー武蔵というバス釣りなのに殺傷力の高いルアーが多い漫画が
コロコロコミックで連載されていた影響でバス釣りブームの兆しがあったものの、
初期投資の高さから結局ハマることはなかった。

今も他に趣味を抱えているので高すぎるものには手が出せないが、
釣り具を安価で貸してくれるようなところがあれば一度体験してみるのも悪くない。

という訳で今回やってきたのは江戸川区にある老舗釣り堀店の『つりぼり金ちゃん』だ。看板の魚がキュートだね。

室内にある大きないけすで鯉やフナを相手にシンプルな一本釣りが楽しめるということで、
初心者の自分でも問題なく楽しめるのではと思いここを選んだ。

料金システムはこんな感じ。本格的な釣りが苦手な人向けに金魚釣りと金魚すくいが楽しめるコーナーもある。
……金魚釣るって逆に難しくない?

今回はどのくらい面白いのかが未知数なのでひとまず大人1時間コース。

ちょっと写真がブレてしまったが、これが貸し竿。
歯ブラシみたいに硬度がそれぞれ違うようだ。
ついているのはウキと針だけという男のロマンを凝縮したようなフォルムにほのかな闘争心が刺激される。

料金を支払うと店員さんから餌と終了時間が書かれた紙をもらいこの中から今宵のパートナーを選ぶ訳だが、
硬いとなんか折れそうな気がして怖かったのでやわらかめの竿を選択。

さあ釣るぞ!

……いや黒っ!?東京湾並みに黒いね!
よく夜の海をタールに例える描写があるがまさにそれが目の前に広がっている。

ちなみになんでこんなに黒いかというと、
透明度が高いと魚がどこにいるかわかってすぐ釣れてしまうから着色しているらしい。
実際見た目の割に臭いといったものはなく、むしろ最近乾燥気味だから心地いいくらいだった。

席は空いているとこに座るタイプ。
椅子は全部で20個ほど、ビニール製の玉網は10個。
親子連れの先客が2組いたので不審者に思われないよう離れた場所に腰を下ろす。

釣りに使う餌はこれ。魚用の餌を団子にしたやつと、魚肉ソーセージを短冊状にカットしたもの。

まずは団子の一部を針が隠れるようにこねこね。意外と水っぽいから形を整えるのに苦労する。
ちなみにこの手袋はたまたまカバンに入ってたやつなので、手の汚れが気になる人は都度店内の洗面所で手を洗おう。

そして水の中にそっと落とし、ウキが安定するまで放置。

……
………

気持ちウキが動いた気もするが、生き物が食らいついたような手応えは竿に伝わってこない。
とりあえず一度上げてみるか……。

あああああああああ!?綺麗さっぱり無くなってるじゃねーか!?

魚ってもっと荒々しい食い方するだろ!?店主に鍛えられてんのかこいつら!
俺を試すような真似しやがって!どうぶつの森を見習え!

気を取り直しもう一度同じような団子でトライしそれっぽい手応えを感じた瞬間引き上げるもやはり餌は消滅。

そして何回か繰り返す内にその原因が判明。
しっかり固めたつもりの団子が思ったより脆く、急激な上昇に耐えれず自壊していたのだ……。

それっぽい手応えはおそらく魚が団子をつついている感触なのだろう、
まんまとフェイントに騙されただ餌を提供していただけという事実に少し心が折れそうになる……
いや人間様が魚に人生観を決めつけられてる場合じゃない!

今度は量を増やしてより頑丈な団子を作成!縄文土器にこんなのあった気がする。

試しに水の中で上下させても形が崩れる気配なし。あとはこれをパクっと食べてくれる魚が現れるまで指の神経に集中。

……
………きた!

これまでとは違う明らか引っ張る感触に合わせて竿を上げると水面に姿を現す魚!ワザマエ!

逃がさないよう玉網でさっとすくい上げ、身体を押さえて針を外す。

目と口の特徴からして鯉かな?あまり大きくないのでまだ子供なのだろうか。
正直魚はスーパーに並んでるやつくらいしかわからないけど、
とりあえず人生初の釣り成功の喜びに、アドレナリンがドバドバ出てきて気分がいい。

ちなみに釣った魚はそのままリリースではなく、一旦後ろに設置されているバケツの中にシュートするシステム。
あとで釣った数や種類をカウントし、疲れてる奴は休憩用のいけすに移すようだ。

団子で無事釣れたので次は魚肉短冊でチャレンジ。ピロピロしていて心許ないが、固形物なので団子より耐久度は高い。

なので今度は竿を左右に動かしワームが泳いでるように見せかける。
幸い両隣には誰もいなかったので思い切って繊細かつダイナミックな動きで水の中のオーディエンスに訴えかける。

あいつら端っこをちょっとだけ食って逃げやがったよ!魚ってそんな器用なの!?
それなら真ん中にも食らいつきたくなるようにしてやるわ!

見よこのマンガ肉リスペクトな対魚類最終兵器!実際どのくらい効果があるのかは不明だ!
ゆっくり動かしその時を待つ……。

そして来たぜ2匹目!
ビチビチ暴れすぎて一度外れた針がほっぺに引っかかってしまいかわいそうだったので、
タオルで優しく包んでそっと外す。

これほっぺだからよかったものの目に刺さったら大変なことになってたな……。

そんなこんなを繰り返していたら、あっという間に終了時刻。
最終的な釣果はこの2匹。「しか」と考えるべきか「も」と考えるべきか悩むところだが、
ド素人がアドバイスも受けず2匹って凄くね!?凄いよね!

釣りを終えるとその釣果によって景品が出るようで、
今回は2匹しか釣れなかったけどレア種だったのか150円の割引券がもらえた。

ハンコ排除の方向に傾いている世間に中指を立てるが如く押された、
この時代を感じさせるスタンプに老舗の矜持が感じられる。

以前は釣りなんて餌を撒いて食らいつくのを待つだけの運ゲーと思っていたが、
餌の形状や大きさで頭を悩ませ、ウキの動きと指先に集中するときの脳がひりつく感覚は
真剣勝負のそれと同じで病みつきになる気持ちがよくわかる。実質格闘技だ。

試行錯誤の末の喪失と獲得……大きなリスクを負うことなくこの快感が味わえる釣り……遥かに良い……。

釣りには興味なくはないけどいきなり川や海はハードル高いと思ってる方は
ぜひ一度来店してその楽しさを感じてもらいたい。

仕事はともかく趣味にも全力投球するスギモリは一緒に色んなことに付き合ってくれるメンバーを募集しています。

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